めがるかや (雌刈萱) 

学名  Themeda japonica (T. triandra var. japonica)
日本名  メガルカヤ
科名(日本名)  イネ科
  日本語別名  カルカヤ
漢名  黃背草(コウハイソウ,huángbèicăo)
科名(漢名)  禾本(カホン,héběn)科
  漢語別名  菅草(カンソウ,jiāncăo)
英名  
2010/05/28 神代植物公園

2006/08/13 神代植物公園

2006/09/07 長瀞岩畳

2006/09/07 道光寺 (長瀞町)

2018/11/18 多磨霊園 

 メガルカヤ属 Themeda(菅 jiān 屬)には、アジアに約10種がある。
   T. arundinacea(葦菅・大菅)広西・貴州・雲南に分布。『中国雑草原色図鑑』325
   T. gigantea(大菅)
     var. caudata(苞子草)華南・西南からインド・インドシナに分布
     var. villosa()華中・華南・西南に分布
   T. hookeri(小菅草)雲南・四川・シッキムに分布
   T. triandra
     var. triandra 
中央アジア・西アジアに分布
     メガルカヤ var. japonica(T.japonica;黃背草・菅草)
『中国雑草原色図鑑』326 
 イネ科 Poaceae(Gramineae;禾本 héběn 科)については、イネ科を見よ。
 和名カルカヤは、刈り取って屋根を葺くなどに用いることから。メスのというのは、オガルカヤ(漢名は橘草) Cymbopogon tortilis subsp. goeringii(C. goeringii) に対して。 
 中国では、メガルカヤ属 Themeda(菅 jiān 屬)の仲間を、(カン,jiān)と呼ぶ。
    
(日本語のすげ(菅)は、カヤツリグサ科スゲ属 Carex の植物)

 ただし歴史的には、漢名を(カン,jiān)という植物は、中国でむかし屋根・垣根などを作る素材としたイネ科の草の総称で、ススキやその近縁種、メガルカヤやその近縁種を指す。言葉の意味からすれば、菅は 日本語におけるかや(茅・萱)に当るが、そこに含まれる植物の範囲は、日中で異なるようである。 
 本州・四国・九州・朝鮮・漢土・インドに分布する。
 中国では、紙を造るのに用い、また家屋の屋根を葺く。
 日本では、しばしば墓地に植える。

   まめなれど なにぞはよけく かるかやの みだれてあれど あしけくもなし
     
(よみ人しらず、『古今和歌集』)

   まがきあれて すすきならねど かるかやも しげきのべ
(野辺)とも 成にける物を
   秋風に ほずゑ
(穂末)なみよる かるかやの
     したは
(下葉)にむし(虫)の こゑ(声)みだるなり
   ひとかたに みだるともなき 我恋や 風さだまらぬ のべのかるかや
     
(以上、西行(1118-1190)『山家集』)
 

跡見群芳譜 Top ↑Page Top
Copyright (C) 2006- SHIMADA Hidemasa.  All Rights reserved.
クサコアカソウ シュロソウ スハマソウ イワチドリ チダケサシ 跡見群芳譜トップ 野草譜index